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高松高等裁判所 平成6年(ネ)7号 判決 1994年7月01日

控訴人(原告)

吉原高義こと

具基万

右訴訟代理人弁護士

中村詩朗

被控訴人(被告)

有限会社丸富地所

右代表者代表取締役

横内輝久

被控訴人(被告)

横内瑠美子

被控訴人(被告)

横内輝久

右三名訴訟代理人弁護士

三原一敬

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

第一、当事者の求めた裁判

一、控訴人

1. 原判決を取り消す。

2. 高松地方裁判所丸亀支部が同裁判所平成四年(行ウ)第一二号約束手形金請求事件につき平成四年九月二二日言い渡した手形判決を認可する。

3. 訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人らの負担とする。

二、被控訴人

主文同旨

第二、当事者の主張

次のとおり付加、訂正、削除するほかは、原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。

1. 原判決二枚目表九行目の「丸富地所」の次に「(以下「被告会社」という。)」を、同行目の「約束手形」の次に「(以下「本件手形」という。)」を、同枚目裏六行目の次に行を変えて「振出人 有限会社丸富地所」を、同八行目の「ファイナンス」の次に「(以下「東武ファイナンス」という。)」を、同九行目の「更に」の次に「これに」を加える。

2. 同三枚目表一行目の「したうえ、」に次に「本件手形を」を、同二行目の「本件手形」の前に「各自」を、同七行目の「東武ファイナンスが」の次に「本件手形を」を、同九行目の「事実のうち、」の次に「控訴人が本件手形を支払期日に支払場所において」を同枚目裏四行目の「いずれも」の次に「額面金額」を、同四、五行目の「四五〇万円の」の次に「約束」を加え、同五行目の「利息分の」を「利息の支払いのために振出された」と改め、同八行目の「被控訴会社は」の次に「控訴人に、」を加え、同九行目の「原告」から同一〇行目の「うえ、」までを削除する。

3. 同四枚目表五行目の「期日」を「支払期日」と、同末行目の「以下」を「以下本項においては」と、同枚目裏二行目の「金主」を「貸付資金等提供者(金主)」と改め、同六行目の「担保物件」の次に「の評価額」を、同行目の「東武ファイナンスの」の次に「控訴人に対する事前の」を加え、同一〇行目の「に内入れとして」を「の返済のために」と改める。

第三、証拠<略>

理由

一、当裁判所も、原判決の結論を相当と判断するが、その理由は、次のとおり付加、訂正するほかは、原判決理由に説示のとおりであるから、これを引用する。

1. 原判決五枚目裏七行目末尾に続けて「、それぞれ被控訴人輝久及び東武ファイナンスに交付し」を、同八行目の「原告が」の次に「支払期日に支払場所において」を加える。

2. 同六枚目表三行目冒頭から同八行目末尾までを次のとおり改める。

「2 右各事実によれば、本件手形は、東武ファイナンスから被控訴人会社に対する六〇〇〇万円の貸付金についての平成四年七月二日から同年一〇月一日までの間に発生する利息の支払いのため予め振り出されたものであるから、右貸付金が右利息発生期間の開始前に弁済され、右利息が発生しなくなった場合には、いわゆる手残り手形として、被控訴人会社は東武ファイナンスから本件手形の返還を受くべきものであり、したがって、本件手形振出に関する右事情を知ってこれを取得した悪意の手形所持人たる控訴人に対しても、被控訴人らは、利息発生前における右貸付金の弁済を理由として本件手形の支払いを拒絶できるものと解すべきところ、右貸付金は前記利息発生期間開始前の同年二月一二日に完済されたのであるから、控訴人は、悪意の本件手形所持人として、被控訴人らに対し本件手形上の権利を行使することはできないものといわざるを得ない。」

3. 同六枚目表末行目の冒頭から「するほか」までを「甲第一一号証中には再抗弁についての控訴人の主張に沿う部分があり、また」と改め、同枚目裏一行目の「前出」を削除する。

二、そうすると、原判決は相当であり、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、控訴費用の負担につき民事訴訟法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。

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