大判例

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高松高等裁判所 昭和24年(控)740号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

被告人が犯罪事実を自白している場合有罪と認定するには該自白の外如何なる程度の所謂補強証拠を必要とするかの問題につき按ずるに、憲法第三十八条第三項及び新刑事訴訟法第三百十九条第二項の規定により被告人の自白の外に補強証拠が必要とされる所以は被告人の主観的な自白のみによつて客観的に架空の事実が犯罪として認定される危険を防止するためであると考えられるから、被告人の自白と補強証拠と相俟つて犯罪事実を客観的に認定し得れば足り、必ずしも罪となるべき事実全体に亙つて自白以外の証拠が必要であると解すべきではない。今これを窃盗罪について考えるに、被告人が自白している場合その補強証拠としては検察官所論の如く右自白に照応する被害事実につき証拠の存する以上該被害事実と被告人の犯行との直接の結び付きについての証拠は必ずしも必要でないと考える。原裁判所は本件公訴事実中(1)及び(2)の事実につき原審公判廷において被告人が自白しているに拘らず犯罪の証明が十分でないとして無罪の判決を言渡した。然し原審公判廷において被告人が証拠とすることに同意した永森栄及び河内勝提出の各窃盗難届書に徴すれば、被告人自白にかかる右(1)(2)の各窃盗事実に夫々照応する盗難被害顛末の記載があるから本件における自白の補強証拠としては右各盗難届書のみにて十分であり、必ずしも犯行の目撃者、賍品の所持又は処分等につき証拠の存することを要しないものと云わなければならない。

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