大判例

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高松高等裁判所 昭和25年(う)1125号 判決

記録並原裁判所において取調べた証拠を調べてみると、被告人等は、判示犯行に着手してから後判示被害者が提供しようとした現金の受領をしなかつたことがあるのは所論の通りであるけれども原判決における判示機帆船が闇物資を積んでおるものと思ひ、それを襲ふて物資を奪取しようとし判示港の岸壁に繋留していた同船を繋索を切り碇を揚けて伝馬船で港口辺りまで曳き出したうえ乗船していた判示の者等に対し判示のような言動をして脅迫し船内を物色したが判示南瓜等だけで奪取に適当な物資を積んでいなかつたこと及その際敍上現金を提供され受領しなかつたものであることを認めることができる。しかして判示の情況においては判示の船が奪取に適当な物資を積んでおると普通に予想し得られるところであり被告人等の判示所為は強取の結果を発生する可能性もあつて実害を生ずる危険があるから当時偶々適当な物資を積んでいなかつたがため奪取することができなかつたものでそれは所謂意外の障礙によつて行為が予想の結果を生じなかつたのであるから未遂犯として処断するに妨げるところはない。そうすると前敍提供された現金を受領しなかつたのが所論のように中止犯であるとしてもそれは敍上未遂の罪に該る所為と一帯乃至は過程における一部に過ぎないから被告人等の所為を全体とし客観的に観るときは結局障礙により犯行を遂げ得なかつたもので障礙未遂の一罪とするのが当然であるし、判示情況のもとにおける被告人等の判示言動は、その被害者の反抗を抑圧するに足ると認められるのが普通であるから恐喝の未遂と云へないのは明らかであるから原判決には所論のような事実の誤認はない。

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