大判例

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高松高等裁判所 昭和26年(う)42号 判決

本件公訴事実は被告人が原審相被告人杉崎知一、同本村秋雄こと松枝繁夫と共謀して原審相被告人である照栄丸船長秋岡照一に精米押麦大豆の輸送の委託をなしこれに基いて右秋岡が右精米等を輸送したと言うのであるが、原審では訴因の変更を命ずることなく、右四名が共謀して右の通り精米、押麦、大豆を輸送したとの事実を認定していること所論の通りである。

食糧の輸送を委託したとの公訴事実の審理においては、その真相を明らかにするため、その委託者と受託者との関係、如何なる事情の下に如何なる態様の委託が行はれたかが取調べらるべきであり、これらの事実が判明するにおいては両者の関係は輸送の委託者と受託者と言うよりも両者は共謀して右食糧の輸送をしたと認めるのが真相に合致する場合がある。この場合には訴因の変更を待たないて、右両者が共謀して右食糧を輸送したと認定してもこれに適用すべき罰条法定刑は輸送の委託をした事実の場合と異ならないのみならず、何等被告人の防禦権を制限することにならないから、かかる場合は訴因の変更がなくとも右共謀して食糧を輸送した事実を認定して、これによつて被告人を処罰し得るものと言わなければならない。

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