大判例

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高松高等裁判所 昭和27年(う)485号 判決

横領罪の成立に必要な不法領得の意志とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その物を売却その他の処分をする権限がないのに、これらの処分をする意志を言うのであつて、必ずしも占有者が自己の利益収得を意識することを必要とするものではなく又占有者において不法に処分したものを後日補填する意志が行為当時にあつたからとて横領罪の成立を妨げるものでもない。本件事実は前示の通りであつて、被告人は農家から政府に納付すべき供出米として受取つて保管中の玄米十八俵を、農業協同組合の倉庫に引渡して政府に納入することをせず、農家からの委託せられた任務に反して、擅に営利の目的を以つて販売価格の統制類に超過する代金を以つて他に販売したのであるから、これらの米に替えて後他の米を以つて政府に納入する意志があつたにしても、右玄米十八俵の横領罪の成立すること明らかである(昭和二三年(れ)第一四一二号、同二四年三月八日最高裁判所第三小法廷判決参照)。原判決には事実誤認も法律の適用の誤りもない。諸般の情状上被告人を懲役十月三年間執行猶予に処した原審の量刑は不当とは認められない。

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