大判例

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高松高等裁判所 昭和27年(う)533号 判決

論旨は被告人は本件母家に延焼さす目的はなかつたと主張するけれども、原審判決が採用した証拠のうち、原審第一回公判廷における被告人の供述及び司法警察員並びに検察官の作成した各検証調書を綜合すれば、被告人に中内芳幸方母家に放火する犯意のあつたことが充分認められるのみならず、被害者に対して事前に放火するかも判らないことを通告したと云う事実は各証拠により認められないことはないが、この事実は放火が未遂に終る可能性の強いことを示すに過ぎないのであつて、被害者が右の通告を真実ならずとして警戒をしない場合のあることが予想されることを考慮するときは、右の如き通告が事前にあつたとしても放火罪の成立を妨げないことは明白であつて、又本件煙草乾燥室乃至母家えの延焼の危険が認められる以上、単に器物毀棄罪を構成するに過ぎないとは到底考えられない。更に記録を精査しても原審の事実誤認を疑うに足る証拠は見当らないので論旨は理由がない。

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