高松高等裁判所 昭和28年(う)385号・昭28年(う)384号・昭28年(う)386号 判決
当事者間に授受せられた財物が賄賂として授受せられたものと認むべきか否かは、その当事者の主観のみによつて極まるものではなく、同当事者間の親疎の関係、その財物の種類価格、同当事者の社会的地位職業環境、社会状態等々諸般の客観的条件によつて決定せらるべきものである。その財物が社交上の慣習儀礼の名目で贈られたとしても、諸般の客観的条件により、公務員等の職務執行行為又はこれと密接な関係にある行為に関する贈与と認むべきものである時は賄賂罪が成立し得るのである。賄賂の収受とは賄賂の供与を承認して賄賂を受領する行為である。賄賂の供与を承認して賄賂を受領したか否かは、証拠によつて認定せられるべき事項である。賄賂を収受したものと認定すべきである以上、その賄賂と交換的にその対価又は代償物が支払われたとしても、その収賄罪の成否には影響を及ぼすものではない。