大判例

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鳥取地方裁判所 昭和43年(ワ)104号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕二、ところで<証拠>によれば、被告が山本より本件手形で他から融通を得るについて被告の裏書を求められ、その際、被告において爾後、右裏書によつて迷惑を蒙ることはない、仮に不渡になつても山本において一切の責任を負う旨の申出があつてこれを了承したこと、原告は右事情を知悉して本件手形を取得した旨の供述及び記載があるが、前記認定のとおり、山本が被告に対し本件手形に被告の裏書を求めたのは、山本がこの手形を利用して融資を受けることを容易にするためのものであることが明らかで、山本と被告との間においては、右融資を受ける山本が融資の最終の責任を負うべきものであることはいうまでもないところであつて、被告に何等の負担をかけないことを約定するのも当然のことである。しかしながら、融資を受けることを容易ならしめるためにする裏書は、もともと、右裏書によつて「手形上の責任」を負担するからこそその手形の信用価値が高まり、融資を得ることも容易になるのであつて、その手形が割引等により融資の目的を達して第三者の手に渡り、第三者が所持人として当該裏書人に手形金を請求(遡求)してきた場合には、たとい右所持人が融通による裏書であることを知つて手形を取得したものであつても、右裏書人はそれを理由として支払を拒むことはできないと解すべきである。もつとも被告と山本との間で被告は右裏書にかかわらず何人に対しても「手形上の責任」をも一切負わない趣旨の合意があつたものと解すればこれについて悪意の手形所持人に対し、右合意を対抗し得る場合のあることは考えられよう。しかしかような趣旨の合意による裏書はもともと融資を受けることを容易にする目的とは矛盾するものであつて、<証拠>に徴しても前記供述及び記載を右の趣旨の合意と解し得ないし、まして原告において右のような趣旨の合意があることを知悉して本件手形を取得したものとは到底認められない。他にかかる事実を認め得る証拠はない。(中村捷三)

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