鹿児島地方裁判所名瀬支部 昭和38年(ワ)26号 判決 1964年4月10日
主文
被告は原告に対し、金十五万九千七百五十三円およびこれに対する昭和二十八年十月一日からその支払が終るまで年一割の割合による金員の支払をせよ。
訴訟費用は被告の負担とする。
この判決は原告において、金五万円の担保を供するときは仮に執行することができる。
事実
原告訴訟代理人は主文第一、二項と同旨の判決並びに仮執行の宣言を求め、その請求の原因として次のとおり述べた。
琉球復興金融基金受託者琉球銀行は昭和二十六年十一月五日被告および訴外益田宝明、同重山牧重を連帯債務者として米軍票B券六万五千円(邦価十九万五千円)を利息年五分、弁済方法を元利金均等半年賦払、元金は昭和二十七年三月三十一日まで据置、半年賦金二万二千二百八十円宛を毎年三月および九月の各末日に支払う、若し償還期限に一回たりとも怠つた場合は期限の利益を失い元利金を一時に請求されても異議はないこと、且つ期限後の遅延損害金は年一割、償還期限を昭和三十二年三月三十一日と定めて貸与したが、被告らは昭和二十八年三月三十一日期日分までに金三万五千二百四十七円(邦貨)を支払つたのみである。しかして、前記琉球銀行は奄美群島の日本復帰後右債権を国に、国は更に奄美群島復興信用保証協会にそれぞれ委譲し、同協会は昭和三十四年三月二十日その名称を奄美群島復興信用基金と変更したものである。
よつて原告は被告に対し、残元金十五万九千七百五十三円とこれに対する履行期の後である昭和二十八年十月一日からその支払が終るまで約束による年一割の割合による遅延損害金の支払を求めるため本訴請求に及んだのである。
仮に、被告が前示契約当初において連帯債務者とならなかつたとしても、被告は昭和二十九年九月頃原告との間において、本件債務につき新たに連帯債務契約を締結したものであるから、被告は前示金員の支払をする義務があるものである。
被告は「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決を求め答弁として次のとおり述べた。
原告が主張するように被告が本件連帯債務者となつたことは否認する。但し、被告は昭和二十九年九月頃責任を感じ、本件債務の保証人となつたことを認めたものである。
証拠(省略)